あたしを撫でる、君の手が好き。



「なんかさ、見てて思ったんだけど、どのチームも女子の衣装のスカート短いよな」

ひとしきりにあたしの髪を掻き乱したあっくんが、両手をあたしの頭に置いたまま視線を下げる。


「そうかな。動きやすさ重視だからと思うんだけど。変……?」

あたしたちのチームの着物をモチーフにした衣装は、他のチームの人からも好評だった。あたしも可愛いなーと思っていたんだけど。

あっくんに正面からマジマジと見られたら、今さらだけど、あたしには似合ってなかったのかなと心配になる。

着物のような大きな袖で、短いと言われたスカート下から剥き出しになっている足を隠したら、あっくんがあたしの頭から手を退けた。


「別に、ふつー」 

「ふつー……」

そうか。ふつー、なのか。

変じゃなくてよかったとは思うし、別に「可愛い」って言ってもらいたかったわけでもないけど。あっくんの反応は微妙だ。

もし徳永さんが同じことを聞いたら、あっくんはどんなふうに答えるのかな。

無意識にそんなことを考えてしまって、勝手にチクリと胸が痛んだ。