あたしを撫でる、君の手が好き。


幼稚園のときに出会ったあっくんは、かっこよくて優しくて。スポーツだってなんでもできて。あたしの憧れで、初恋の人だった。 

だからあっくんがあたしを「シロ」と呼び始めたときは、すごくショックで悲しくて。あたしもあっくんから離れてしまおうと思った。

中学のときは、あっくん以外の好きな人を作ってみようとした。だけど、思ったようにうまくはいかなくて。

結局あたしの気持ちは、あっくんに戻ってきてしまった。

恋愛対象にすらなれないうえに、『ペットみたい』だなんて思われているあっくんに。

でも……

あっくんに頭を撫でられたら、ペットでもなんでもいいからそばにいたいと思ってしまうんだから。あたしは本当に、どうしようもない。