あたしを撫でる、君の手が好き。


「そんな必要ねーよ」

「え、あっくん?」

あっくんが、振り向いたあたしの手からスマホを取り上げる。


「確かめなくたって、通信状況とか関係なく、富谷のメッセージはシロに届かないから」

「亜聡。それ、どういう意味だよ」

突然現れたあっくんに、富谷くんが怪訝な眼差しを向ける。

あっくんはあたしと富谷くんを交互に見ると、悪戯っぽく口角を引き上げた。


「だって、2日前に俺がシロのスマホで富谷のことブロックしたし」

「え?!」
「は?どーいうことだよ!?」

あたしと富谷くんが同時に大きな驚きの声をあげると、あっくんが煩わしげに両手で耳を塞いだ。


「うるさ。だって、せっかく俺とシロがふたりきりで歩いてんのに、富谷が邪魔すんだもん」

思いきり表情を歪める富谷くんの横で、あたしは顔をあげていられないほど真っ赤になった。