あたしを撫でる、君の手が好き。


「ごめん。だから春菜のことも、もう名前で呼ぶのはやめていい?名前で呼ぶのは、やっぱり好きなやつだけにしたいから」

あっくんが徳永さんにそう言ったとき、一気に目の前が真っ暗になった。

『名前で呼ぶのは、やっぱり好きなやつだけにしたい』って、どういう意味?

あっくんには、徳永さん以外にも名前で呼んでいる女の子がいるってこと……?

だとしたら、あっくんの好きな人はあたしじゃない。

だってあっくんは、あたしのことを名前じゃなくて「シロ」って呼んでる。

徳永さんとあっくんはまだ何か話していたけれど、ショックが大きすぎて、途中からふたりの会話が全く耳に入ってこなかった。

手のひらで覆った顔が、燃えそうに熱い。

ちょっと優しくしてもらったからって。何度かキスしたからって、あっくんと両想いだと勘違いしてしまった自分がはずかしい。