あたしを撫でる、君の手が好き。


口元にあてた手の上にもう片方の手を重ねてぎゅっと握りしめると、あっくんが出す答えをじっと待つ。

しばらくの沈黙ののちに、微妙に立ち位置をずらしたあっくんが、上履きできゅっと床を踏み込んだ。


「ごめん。俺、好きなやついるんだ」

きっぱりとしたあっくんの言葉に、胸がドクンと鳴る。

直接「好きだ」と言われたわけでもないのに、あたしの鼓動はあっくんの言葉に期待して、少しずつ速くなった。


「そっか。やっぱり、そうなのかなーって思ってたんだ。早めに確認しといてよかった」

徳永さんが明るくそう言って笑う。だけど、どれだけ明るく話していても、声の震えを隠しきれてはいなかった。

あっくんが徳永さんの告白に揺れなくてほっとする反面、徳永さんの気持ちを考えると胸が痛む。

あたしも、少し前まであっくんが徳永さんと付き合っていると思って落ち込んでいたから。自分の好きな人が別の誰かを好きだと知ったときの、辛い気持ちはよくわかる。

だけど、「徳永さんの気持ちがわかる」なんて思ってしまったあたしは、どこか上から目線で彼女に同情していたのかもしれない。だから……