あたしを撫でる、君の手が好き。


蹲って座る教卓の脚の隙間から、あっくんの制服のズボンと上履きが見える。その向こうに、徳永さんの上履きが見えていた。

隠れていることがバレないか、ものすごくヒヤヒヤとする。そんなあたしが見つからないように、教卓の前に立ったあっくんが上手に庇ってくれていた。


「それで、話って何?」

「亜聡、なんだかそっけないね。急ぎの用事でもあった?」

「いや、そんなことないけど」

「そっか……」

あたしが隠れているから気が気でないのか、徳永さんに受け答えするあっくんの話し方は、彼女の言うように、いつもより素っ気ない。

徳永さんが話すのをやめると、教室に微妙な沈黙が流れた。

静かになると、自分の息遣いが周囲に響いてしまいそうで。手のひらで口を覆う。

どのくらい隠れていることになるだろうか。

教卓の下で息を殺していると、徳永さんが話し始めた。