あたしを撫でる、君の手が好き。


「徳永さんかな?どうしよう」

もしそうだとしたら、教室を出たときに確実に鉢合わせてしまう。

焦っていると、あっくんがあたしを黒板の前の教卓の下に無理やりに押し込んだ。


「狭いけど、ちょっとだけ隠れてて」

「でも、あっくん……」

あたしは、徳永さんの告白を聞くわけにはいかない。というか、聞きたくない。

すぐに教卓の下から抜け出そうとしたけれど。


「ごめん、亜聡。遅くなっちゃった」

息を切らして駆けてきた徳永さんの、高く弾んだ可愛い声を聞いたら、その場に留まるしかなくなってしまった。

身体を縮めて丸まると、教卓の下で息を潜める。


「待たせたよね。部活の片付けが長引いちゃって」

「いいよ、そんなに待ってないし」

「よかった」

嬉しそうな声でそう言った徳永さんが、教室の中に足を踏み入れてくる。