あたしを撫でる、君の手が好き。


『17時に地元の駅に出てきて』

送られてきたのは、たった一文。

せめて「出てこれる?」とか、疑問系ならあたしだって多少譲歩するのに。

「帰れ」と冷たく追い返しておいて、「17時に出てきて」なんて。いくらあっくんだからって、さすがに身勝手だと思った。

どうして、今頃あたしのことを呼び出すんだろう。徳永さんと仲良く遊んできたなら、それで充分なんじゃないの?

富谷くんから送られてきたカラオケの写真。そこに写っていた、あっくんと徳永さんの仲良さげな姿を思い出して悲しくなる。

あっくんは、ひとこと指示すれば、あたしが何でも言うこときくって思ってるんだろう。だけど、もうあっくんの思い通りになんてならない。

徳永さんを選んだのなら、もうあたしには構わないでほしい。期待させるようなことだってやめてほしい。

あっくんへの「好き」の気持ちをすぐに消すことはできないけど、それでも少しずつあっくんからは離れなきゃ。

これまでのあたしだったら、あっくんに誘われたら喜んで出かけてたけど。出会って初めて、あっくんからの誘いに何の反応もせずに無視をした。