あたしを撫でる、君の手が好き。



「あ、あれシロちゃんじゃない?シロちゃーん!」

無視するのも憚られるくらいの大きな声で呼ばれて、迷った末に振り返る。

「あ、やっぱシロちゃんだ!あと、前島さん。ふたりもカラオケ?」

「あ、うーん。ちょっと近くを通りかかっただけというか……」

歯切れの悪い返事をすると、富谷くんがグループから抜けてあたしたちのほうに駆け寄ってきた。


「よかったら、シロちゃんたちも一緒にどう?」

「カラオケに?」

「そうそう」

「でも人数……」

男女の数を4人ずつで合わせてるんじゃないのかな。

カラオケ店の前に集まっているメンバーをちらっと見ると、偶然あたしのほうを向いたあっくんと目が合った。

無表情であたしたちのことを見ているあっくんが何を考えているかはわからない。

もしグループデートだとしたら。あっくんと徳永さんがペア同士なんだとしたら……

あたし達は邪魔だし、それにあっくんと徳永さんが仲良く一緒にいるところを見たくない。