私がシャツを掴んだからか、成瀬くんが動きを止めた気配がした。 「………成瀬くん、ごめん。」 その一言しか言えずにまた黙り込むと頭を撫でられた。 「謝らなくていいから昼飯食べよう。 紗夏の手作り菓子が早く食べたいからさ。」 私の…手作り……。 そうだ。 その為に成瀬くんは高田くんを呼んでくれたんだ。 それを思い出すと少しだけ気持ちが浮上した。