「有紀が心配する理由がやっと分かったよ。」


「有紀ちゃん……もしかして何か私の事言ってたの?」


「あー、まぁね。だから俺はこっそりと陰ながら応援してようと思ってたんだけど…我慢出来ずに笑っちゃったから正体をバラしたってわけ。」


「……陰ながら応援?」


「そう。あ、王子ーっ。」


応援という言葉が気になったけど、廊下で高田くんが王子くんを見つけて呼んだからそれ以上は聞けなかった。


「なんで高田と?」


王子くんは私をびっくりした目で見つめた。


「ちょっとね。俺の彼女と三島さんが親友なもんでね。」


高田くんは説明しながら私の肩を抱く。

それを見た王子くんの顔が、びっくりした表情から楽しげに不敵に笑った。



「三島、大丈夫だったか?宮野が教室戻ってきた時クラスがすげぇ騒ぎになったんだぜ。」


王子くんが手を伸ばして私の頬に触れた。

さっき見た不敵な笑い顔でなく、まるで大切な彼女の心配をしてるかのような表情で。