別れの曲



その頃から男女問わず高野先生は人気があって、数学の教科担当である長田くんがいるにもかかわらず1人だけ何度も呼び出される私はクラスの女子から「媚売りじゃん」「高野先生がイケメンだからってそれはさすがにないでしょ」と白い目で見られ陰口を言われていた。

何度も「違う」と言い出そうとしたけれど、反抗すれば何されるかわからない恐怖が頭をよぎり、勇気が出せずに飲み込んだ。

最初はクラスで陰口を言われて無視されるだけだった。
違うクラスへ行けば、部活へ行けばみのりがいたからまだ我慢はできてた。


だけど、中間テストが近づき忙しくなってストレスが溜まり始めた皆はやり場のない思いを私にぶつけるようになった。

教科書を捨てられたり、トイレで水をかけられたり、お弁当を捨てられたり、漫画やアニメで見るような典型的ないじめを受けた。

そして皆口を揃えてあの言葉を唱える。



「理不尽なことに耐える練習だ」