「ちょ、待てっ!」
慌てて駆け寄ってきた先生は私達と扉の間に割り入る。
「茜が先生に対して他人行儀なのは自分の容姿自覚してとしか言えない。
茜が1年のとき虐められてたのどうせ知らないんでしょ」
何も言えなくなった私を気遣ってか、長田くんは私の代わりに先生に淡々と吐き捨てる。
「え、いじめ…?」
長田くんの言葉に先生は信じられない、と私たちを見つめる。
「はぁ、、」
長田くんはやっぱりなとため息をついて
私に話してもいい?と確認を取る。
肯定を表すために声には出さず、首を深く縦に振った。そんな私を長田くんは寂しげな表情で見つめた後、抱きしめる力が更に強くなって、震えた声で話し出した。



