「大丈夫だ。 あなたは私の婚約者だし、なにがなんでも守る。シャルロッテよりかなり年上だが、私は一目でシャルロッテが気に入って、一緒に過ごすたびに君に惹かれてやまないのだから」

 こんなにハッキリとハルバート様の気持ちを初めて聞いた私は、安心と共に温かな気持ちで満たされていく。

 「むしろ、こんな年上の私がこのまま結婚相手で良いだろうか? シャルロッテの気持ちを、教えてくれないか?」

 私は、この展開に驚いているフィリップ様もいるこの場でしっかりと返事をする。

「私、初めは不安でした。 ハルバート様が異性に人気のある方なのも知っていましたから。でも、最近はたくさん一緒に過ごして、お話してハルバート様が優しく誠実であると知りました」

 そこでようやくハルバート様と視線を合わせて、私は告げた。

「むしろ、こんなに年下でまだまだ子どものような私でも大丈夫ですか? 私はハルバート様をお慕いしております」

 真っすぐに告げた私の言葉に、ハルバート様はとてもうれしそうに微笑んで言った。

「こんなに可愛く美しい婚約者に、素敵な返事がもらえた俺は幸せ者だ。一緒に、幸せになってもらえますか?」

 思いもよらぬプロポーズだったけれど、私は嬉しさに胸がいっぱいになって頷いた。
 そんな私を抱き寄せて、ハルバート様はフィリップ様に言った。

「それなら、結婚披露は喪が明けてからで。婚姻証だけは先にしておきましょう」

こうして、私は婚約が調うときと同じような速さでハルバート様と婚姻証を届け出て、ここに来て三ヵ月という期間でシャロン公爵夫人となったのだった。