「どうにも、辺境伯家の様子がおかしいと連絡を受けてね。私自身で見に行ったが、たった三ヵ月で辺境伯邸は様変わりしていた」

 その話に、とてもいい状況は思い浮かばない。
 きっと私が育った辺境伯邸は面影をなくしたのだろう。
 のどかながら、綺麗に整えていた屋敷の様子を思い出す。
 きっと、叔父のせいで使用人も雇えなくなり荒れた屋敷となっているだろうことが想像できた。

 ため息交じりのフィリップ様の言葉に、私の悪い想像が現実になっているだろうことを理解した。

 「このままだと、近いうちにシャルロッテの叔父一家がここに来るのではないかと思う」

 そんなフィリップ様の言葉に私は、あの人たちならそれもあり得そうだと深いため息が出てしまった。

 「シャルロッテ、大丈夫かい?」

 心配そうに私を見つめるハルバート様に私は返事をする。

 「大丈夫です。 ただ叔父たちがご迷惑なことを始めたらと思うと、申し訳なくて……」

 私の言葉にハルバート様は穏やかな笑みを浮かべて言った。