「グルル……」

聞こえた声に未来はハッとして目の前を見つめる。巨大なドラゴンが瑠花の前に立ち、瑠花を守っていた。瑠花たちは巨大なドラゴンに驚き、未来は力が使えたことに驚く。

「あたし、力が……」

未来の瞳に涙が浮かぶ。ドラゴンは悪魔たちに飛びかかり、攻撃していく。ドラゴンの爪や牙で悪魔たちは致命傷を負い、消えていった。

「な、何故!?前はこんなに戦えなかったのに!!」

残った悪魔が叫ぶ。大地が剣を振り上げ、言う。

「行っただろう?特訓したと!!」

大地が悪魔を斬り付け、勝負はついた。辺りは一瞬にして静かになる。

「勝てた……」

未来が呟くと、「榎本さんがドラゴンを出してくれたおかげばい」と帆高が言う。大地たちも「そうだな」と頷き、笑った。

「未来ちゃん、助けてくれてありがとう」

瑠花が未来にそう言い、抱き付いてくる。未来はその温もりとみんなの温かい目に心が揺れた。泣き出しそうになるのを、ただ堪える。