帆高に案内され、未来はお城の中のパーティーホールへと向かう。パーティーホールは外にいてもわかるほどの賑やかさが伝わってきた。

「みんなもう集まっとるけん」

パーティーにはドレスやタキシードを着た人々がお酒を飲んだり音楽に合わせて踊ったりしている。そして、未来がパーティーホールに足を踏み入れると「魔獣使い様だ!!」と拍手を送られた。

「ア、アハハ……。どうも……」

未来はペコリと頭を下げる。パーティーなど現実世界でも参加したことなどない。未来の中に緊張があったが、おいしそうなステーキやケーキを見ていると食欲が勝ち、未来は早速食事を取り始めた。

「おいし〜!!」

未来はステーキやサラダを頬張り、笑顔になる。その様子を見て帆高がニコニコ笑っていた。

「あの!小説の登場人物に選ばれた人、ですか?」

未来にまた声がかけられる。未来が振り返ると、未来のようにRPGゲームの登場人物のような格好の人たちが四人いた。

こうして、未来の不思議な生活が幕を開ける。