ねえ、夏生。わたしは、君になりたいといつだって思っていた。
夏生が死ぬかもしれないとわかった時も、消えてしまいたいと思った時も、生きたい、会いたい、そう思った時も、いつだって。
でも今は、君のような人でありたいと、心から思うんだ。
あの頃、無敵だったわたしがそうじゃないと知って、全部全部投げ出した時、地の底から引っ張って救い出してくれたように。勇気を、くれたように。
夏生がわたしにしてくれたことを、わたしも誰かにしてあげたい。
わたしも誰かのそういう存在になりたいと、27歳になった今もそう願い続けている——。



