しばらく店内をウロウロして、買い物を済ませ、
スーパーを出た。

結構重くなっちゃったなぁ。

久しぶりの2連休で予定外のお酒も買っちゃったし、両肩にバックをかけて歩き始めた。早く帰ろう。あ~っ、買い過ぎた。

今頃、あの2人は、一緒にご飯食べてるんだろうなぁ。蓮翔は、やっぱりかりんさんみたいに綺麗な人が好きなんだね。お似合いだった。2人のことを考えると、胸が苦しくなるけどこういうことにも慣れなきゃね。

「持つよ」

「えっ?」

あまりにも自然な行動で、荷物を持たれたので見惚れてしまった。

「なっ、なんでここにいるの?」

「お前が気になったから」

「何言ってるの?私の事なんて気にしなくていいのに。早くかりんさんのもとへ行ってあげて」

私の荷物を持ちながらどんどん歩っていく蓮翔。

「ちょっと待ってよ」

「早く行くぞ」

振り返って私の顔を見る蓮翔は、どこか楽しそうだ。

「そうじゃなくて、かりんさんとデートしてたんでしょ?早く戻りなよ」

「気にすんなっ」

「気にするに決まってるでしょ?私のことなんか放っておけばいいのに……かりんさんに誤解されたらどうするの?」

どうせ私のことなんかなんとも思ってないのだから……。
私は拗ねるような態度で言った。

「お前、なんか拗ねてる?あっ、それともヤキモチか?大丈夫だよ。用事ができたって言っておいたから」

意味がわからない。なんでこんなことになってるの?いったい何を考えてるの?

「いいから早く教えろっ、秋帆の家」

「なっ、なんで家に来るの?」

「じゃぁ、俺ん家くるか?」

「いっ、行くわけないでしょ」

「ほら、早くしねぇと肉、腐るぞ」

「そんな簡単に腐りません」

頬を膨らまして言い返した。

「ふふっ、懐かしいな」

「えっ?何が?」

私は首を傾けた。

「昔は、よくこうやってポンポン言葉が出て気軽に話してたなと思って」

優しく笑う蓮翔があまりにもカッコ良くて、ボーッとしてしまった。

「れっ、蓮翔は、私のことパシリに使ってさぞかし楽しかったんでしょ」

あ~、思い出したら腹立たしくなってきた。

「あぁ、楽しかった」

「そうですか」

私はスタスタと早歩きで家に向かった。

「お前、何怒ってんの?」

「もういい。知らない」

いつもからかって、余裕って顔してさっ。そりゃぁ、蓮翔は私に関心なんかないから平気なんだろうけど、私は蓮翔と話すたびにドキドキしてたのに本当バカみたい。どうしたら女として見てくれるのよ。

「はい、ありがとう」

「えっ?」

「私の家ここだから、荷物持ってくれてありがとう。バイバイ」

「はぁ?何言ってるの。秋帆の部屋行くって言ったじゃん」

拗ねたような、怒ってるような、でも私にはそんな蓮翔が可愛く思えた。
本当、意味わかんない。
でももう少しだけ一緒にいたい。

「あ~っ、わかったわよ。どうぞ」

「あぁ、行くぞ」

私の家は、あまり広くない1LDKの間取りだ。でも、リビングが12帖あるところと、キッチンが広いところが気に入ってる。

「蓮翔の家に比べたらかなり狭いけど、どうぞ」

「お前、俺ん家知らねぇだろ?」

「知らないけど、想像つくでしょ?」

「どうでもいい。お邪魔します」

「あっそっ」

なんで蓮翔といると、可愛げがなくなるんだろ。もっと、可愛くいたいのに……