「発情じゃないっ!」
湊斗に背を向けて、コロンをガン見した。
「めしつかいの分際で、
俺様の日常に文句言うとか、
ありえねぇな」
と、とりあえず、
お、おちつけ私!
あいつを……
マネキンだと思えばなんてことない。
ほら、服屋でさ、
ちょうど次の季節の服が入荷したあたりに、
いったんマネキンが裸になるでしょ?
それと同じ。
で、振りかえる。
「…?
なんだよ?」
いや、同じじゃなーい!
「え、あ、あれ?
体鍛えてるんだ?」
「当たり前だろ。
これでも王子様キャラやってんだから。
王子様ってのはぷにょぷにょすぎても
ムキムキすぎても、だめなんだぞ」
「何でもいいからさっさと…」
このままじゃ、
心臓バックバクじゃん。
あ、やばい。
あいつ、今、
悪いこと思い付いた時の顔した!



