『当たり前だろ。
俺様を誰だと思ってんだ?』
「誰なの?」
『んなとこでボケんな、こら。
とにかく、今からこっち来い』
湊斗は親指を立てて、
自分の後ろを指した。
向かいのマンションまで
道路を一本しか挟んでないから、
あいつの表情まで見えるんだよね。
で、こっちって、湊斗の家?
はぁ?なんで?
いや、怖いでしょ。
ふっつーに怖いよ。
何せ、あいつは、
私をラブホを引きずり込んだ
危ない奴だからな。
「ごめん、今から予定が」
『何だよ、予定って』
「夜ご飯食べる予定」
これ、大切な予定だからね。
『俺様ん家で残飯食わせてやるから、
さっさと来い』
「嫌ってば!」
私がそう言うと、
湊斗はベランダの柵から身を離して、
顎を突き出した。
『ふーん。俺様に逆らうんだ。
明日楽しみだな。
皆がお前のアヘ顔を見て、
どんな反応するのか』



