今日の命令は、
土曜日に発売のゲームを買ってこいだった。
週末あいつのために
時間使わなきゃいけないなんて、
普通にプライベート絡んでんじゃん。
話違うじゃん。
月曜の昼休み、
湊斗に言われた店に
何時間も並んで買ったゲームを握りしめ、
指定された場所へ持っていくと、
今日はいつもと違って、
目を輝かせた。
「うぉー!これこれ。
お前まじで買ってきてくれたんだな」
「はぁ?
あんたが買えって言ったんじゃん。
手数料上乗せしてお金払ってね」
「俺様に命令すんな」
と言いつつ、
目をキラキラさせてゲームの箱を眺める湊斗は
なんだか少年みたいでかわいかった。
おっとっと。
忘れちゃいけない。
こいつは超乱暴な俺様なんだから。
「ねぇ、偽彼女って、
私に全然恩恵ないんだけど。
あんたばっかじゃん。
いい思いしてんの」
「当たり前だろ。
俺様の偽彼女ってのは、
俺様のめしつかいのことだからな」



