「やぁ、二人とも」
変わらぬ王子様スマイルで
かなっちと私の前で立ち止まる湊斗。
「志崎部長!
何も食べないんですか?」
「外で食べてきた。
ここ、いい?」
「どうぞ!」
湊斗、うーん…
いつも通りだな…
もしかして、
この噂に気づいてないとか?
いや、でも、嫌でも聞こえてくる
周りの声。
「うわ、志崎だ…
あいつ、本性やばいよな」
「志崎部長って、
高校生襲ったらしいよ」
「もしかして、川村さんも
元セフレなのかな?」
本人にいるしっ!
もうちょっと別のとこで話しなよっ!
で、私、そんなんじゃないしっ!
お黙りっ!
「奈紗ちゃん!無視だよ。
志崎部長!
反論しなくていいんですか?!」
かなっち…
優しい!
「うーん…」



