志崎は顔を斜め上に傾けると、
ふっと意味ありげに笑った。

「何よ?」
「その余裕、いつまで続くかな?」

そっちこそ何その余裕?

って言おうとしたんだけど、
無理だった。


一瞬だったんだけど、
壁際に追いやられて、
背中を思い切り壁にぶつけたと思ったら、
痛がる間もなく、
志崎が私の肩を掴んで
そのままキスをしたから。


それもさ、
王子様のうっとりするような愛のキス…
みたいなのとは全然違うよ!

唇が離れたと思ったら、
また角度を変えて、
何度も何度も、
私の唇を溶かすような熱いなキス…