これは嫌な予感しかしない…


「失礼しまーす」

超警戒してたから
ゆっくりドアを開けた。

「ごめんね、忙しいのに呼び出しちゃって」

あー、いるいる。

壁にもたれて
ズボンのポケットに手をいれている志崎が…。

で、今のところは王子様モードか。

でも、

「何?」

と私が言うと、
志崎の表情が一瞬で変わった。

「お前なぁ、
俺様は年上で、先輩で、部長なんだぞ。
タメ口きくのやめろっ」
「あんたなんかタメ口で十分でしょ」
「調子乗んなよ」


ほらぁ、出てきたよ、俺様モード。
信じたくないけど、
やっぱ同一人物だな。


「それはこっちのセリフ。

会社中に広めてもいいんだけど?
王子様な志崎部長は、
実は俺様で、超口悪くて、乱暴で、
私を檻のあるラブホに
連れ込んだって」
「…っ。
この俺様をおどすとか、
まじで根性あんじゃん、川村」