「………彼氏?」



「あの時、そう言ってくれたよね?」



ナンパや店長を出して皮肉られたからわざとそう言ってみたのに問い返されて困惑する。



冗談は通じないのかな?と思って言わなきゃ良かったと焦りだす。



「そのまま俺が伊藤さんの彼氏でいいの?」


「えっ?」



なんで?
私は一瞬だと言ったよね?



休憩室のテーブル周りには開いたままの折りたたみのイスが6脚も並んでる。

なのにわざわざ私の隣に座った相沢くん。

それだけでも無駄に近いのに、私の視線に合わせる為か顔を覗き込むように近い位置で言われた。



「……びっくりした。
相沢くんて女の子の扱いに慣れてるんだね。そんな風に言われたら他の女子は皆すぐに相沢くんを好きになっちゃうよ」



格好いいからモテるとは思ったがこんなに女子の扱いに慣れてるとは思わなかった。



やっぱりモテる人は違うね。