気さくで人当たりが良い皇先生。
嬉しそうに寄ってくるその笑顔は、時が経っても変わらない。
「前の佐藤校長が心筋梗塞で倒れて、退職するからって緊急で就任したんだ。…そんなことより、元気なのか?楽しくやってるのか?」
「は…はい!」
この中等部の教務主任だった皇先生は、俺にとっては、まさしく恩師。
他の教員が、俺が北桜を辞めることを猛反対する中、この先生だけは賛成してくれて、協力的だった。
『自分の決めた道を信じろ!』だなんて、お熱い言葉も頂いた。
でも、本当に信じて良かったと思う。
と、いう昔話はさておき。
この皇先生が、高等部の現校長。
…なら、話が段々繋がってくる。
皇先生は、親父が学生だった時からこの学園の教員をやっていて、昔からこの学園を見ている。
そして、どの生徒や親にもフラットに対応していて、決して媚びたりしない。
故に…寄付金云々なんて関係ないもんだから。
VIPを御贔屓にする先生では、ないのだ。
…だからか。
警察に、捜査に協力的なのは。
事件が起こったことを、学園の不名誉として揉み消そうとしないスタンスでいるのは。



