「伶士さま、明日は普通に学校ですか」
「あ、うん。でも高校入試が水曜日だから、今週は明日と金曜日だけなんだ」
「そうですか。三日間もお休みですか」
部活もないし。
颯太らとどこか遊びに行く感じになるのかな。
少しばかりの休日、ちょっと楽しみだ。
…北桜学園ではなく、俺は星天高校で友達と楽しむこととするよ。
すると、柊斗さんがこっちに向かって「おーい!伶士!」と手を振ってくる。
「伶士もこっち来て一杯やんね?学校での瞳真の話も聞きたいし!」
「…こらっ!伶士はまだ高校一年生だ!酒はまだ許さん!許さんぞ!」
おじさん達、もはや酔っ払ってるようですよ…。
…しかし。
運命の歯車ってやつは。
どうも気まぐれなようで…。
ちょっとドキッとした。
あんな夢見て早々、まさか親父たちが北桜学園の話をするなんて。
さっきは気に留めておかなかったけど、こんなことがあると気になってしまう。
最近、よくある。
北桜学園絡みの夢を見ると、その夢の人物に実際に出会ってしまう。
薫に、沙羅先輩。
まるで、伝令のように。



