俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


「こ、こんばんは!今日は…?」

「ちょっとそこらで士朗と出くわしたもんでね。じゃあ家で一杯やるかなんて?瞳真も連れてこようと思ったけど明日学校だもんなー」

「そうだったんですか」



親父と二人で家呑みか。

楽しそうだな、大人って。

俺も大人になったら、瞳真くんや颯太やチカや陣内とこんなことになるのかな。



「伶士さま、お食事になさいますか。こちらへどうぞ」

「うん…」





ダイニングで忠晴お手製のフレンチを食べながら、オヤジ二人の酒の会話に、なんとなく耳を攲(そばだ)てる。



「…そーいやよー?今日、営業回りしてたら…ほら、風祭くんがいてさー」

「風祭?…あぁ、超常現象調査室の若僧か。どこで会った」

「月桂樹総合病院」

月桂樹総合病院…カトレア会のメンバーの一人、煌斗(きらと)んちの病院だ。



「ふーん。何か事件でもあったか?…で?」

「『水口さんって、北桜学園の出身ですよね?VIPとレディクラブってどんな方々なんですか?』ってさ。レディクラは知ってるけどさ、VIPって何ぞや」

「VIP…あぁ、ここ数年派生した集まりらしいけど。何でも寄付金額の多い連中で構成されているとか」