俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


(………)



…何て言えばいいんだろう。

気の利いた言葉も、聞きたいことの質問も出てこないぐらい、またしても放心してしまう。



言葉を詰まらせて何も言えなくなっていると、お互いの間に暫し沈黙が訪れる。

親父も遠い目をしていて、何を思い出して考えているのか。



すると、その沈黙を破るかのように、書斎のドアをノックする音が響く。

ドアの向こうから『旦那様、時田さんが御見えになりました』と、忠晴の声がした。

時田さん…親父の運転手だ。

親父はドア越しに『今行く』と告げて、席を立つ。



「…伶士」



さっき忠晴がハンガーにかけていたコートを再び手に取りながら、親父は言う。



「…『護る』のは楽じゃないことはわかっているだろうけど。命懸けだからな?でも…」



コートを取るその手は、力がグッと入っていて…少しばかりか震えていた。



「『護られる』のも楽じゃないんだよ。…覚えておけ」

「え?どういう…」



どういう意味…?