親父を前に、緊張のせいか声が上擦ってしまった。
そして、ツラッと何気無く二人の後を着いていく。
のむヨ片手に。
すると突然、忠晴がくるっと振り返る。
忠晴の俊敏な動きにビクッとしてしまった。
「わわっ」
「…伶士さま、どうなさいましたか」
「いやいやちょっと」
「ちょっとって何ですか」
そんなやり取りをしながらも、胸には緊張を抱えながら、親父の後を着いていく。
親父は書斎に入っていった。
「どうしたんだ。着いてきて。…手に何持ってんだ」
後ろから着いてくる俺に気付いていたのか、机の上のパソコンを覗き込みながら用件を問う。
「これ、のむヨ。…親父に、話したいことあるんだけど」
「…話?」
そう言って、チラッと見られた。
緊張を感じながらも、うんうんと頷く。
「………」
親父はなぜか、きょとんと俺を見ている。
威圧感があるわけでもないのに、その視線になぜか緊張してしまう。
「…これからまた出るけど、迎えが来るそれまでなら」
「は、はい…」