「ま、ま、待って!待って!」



なずなは、あたふたしながらも、俺に掴まれた腕をぶんぶんと振り払う。

また、逃げようと…!



「…待て待てばかり、何だ!いつも人のことをステイウェイトうるせえ言ってるくせに!」

「そ、それはごめん、謝るっ!…ち、ちょっと突然過ぎて、頭ごちゃごちゃしてっ…!」

狼狽えているなずなの顔は依然として赤面したままで、何となく目がうるうるしている。

…え。何?その乙女な感じ。

なずなのようで、なずなじゃない。

ちょっと、かわいいんですけど…。



そんな乙女なずなを見ていると、少しばかりか怒りが落ち着いていく。



突然過ぎて…そうか。

俺の剣幕も剣幕だったし、俺の想いを予想してなかったヤツにとっては、急だったかもしれない。



そう考えると、段々冷静になっていく。



そうだ。

ここはひとつ、今一度冷静になって落ち着いて話をせねば。

俺も、さっきの御堂さんとのこと弁解したいし、もう少し落ち着いて話を詰めたい。