そして、富岡さんは俺の腕を更に引っ張って、顔を近付けてくる。
耳元で小声で囁かれた。
「…なずぽよだったり?リンリンだったり?いーっぱい噂流れてるよ?ま、そりゃいい男だもん、橘くん。でも…」
耳にかかる息に、体がざわざわとしてきた。
「…でも、私達は…でしょ?」
「………」
それは…関係を持ったでしょ?と言いたいのか。
自分から無理矢理迫って斬り込んできたくせに、なんて言い分!
「…だから?もう一回…ね?」
「…は?!」
「今度はお酒抜きで?ね?」
そっちのお誘い?…冗談じゃない!
マジでとんでもない根性だ!
肉食か!
「ち、ちょっと富岡さん!俺、そんなつもりもうないから!は、離して!」
「ダメ!逃がさないよ!」
「ちょ…!」
二人で腕を引っ張り合って、やんややんやしていると。
(…ん?)
富岡さんの背後に、ふと人影が現れた。



