チカの汗の匂いがレモンだろうがパクチーだろうが、どうでもいい。
だからか。
あの時、なずなは俺に気付かなかったのではない。
敢えて、見ないようにして出ていったんだ…!
人の恋路を邪魔するヤツは、馬に蹴られて死んじまえ、だからか?
どいつもこいつも、そんな気遣い要らない!
(何だそれ…)
またまた気が遠くなった。
あまりにも気が遠くなりすぎて、ブラックホールに吸い込まれそうなくらい。
そして、宇宙の塵と化す…。
ひょっとしたら、なずなは。
俺と御堂さんが一緒にいる姿を見て。
あの時の『好きだ』は、やはり雰囲気に流されただけのこと、と思ったかもしれない。
もしくは、本当に聞き流して今頃忘れてるとか。
もしくは、大して構っていないとか(…)!
どっちにしても、これは火急の事態だ…!
(どうしよう…!)
…いや、どうしようもこうもない。
即、行動に移すべき。
もう、学校は明日と明後日しかない。
それまでに、何とか時間を作って、なずなと二人で話す。
そしてもう一回、『好きだ』と言うんだ。



