俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


…でも、俺だって思うよ。




耳障りで、不穏な悲鳴だったけど。



【にんげ…ん…にげて…】

【…くるしいよ…いたい…よ…】



ただ、悲痛と苦痛を訴え、切なくて。



【…もう…つかれ…た…おなか…すいた…】



疲れは癒せただろうか、お腹は満たされただろうか。



【…お…かあさ…ん…ごめ…んなさ…い】



帰るべき故郷に戻って、お母さんに…会えただろうか。



そう案じてしまうぐらい、あの悲しい悲鳴が耳に焼き付いて離れなかった。



だけど、田丸さんとのエピソードは…驚いた。

まさか、田丸さんが魔獣を庇おうとしてたなんて。



でも…魔獣も、手を差し伸べられて。

救いたかった命を守ることが出来て、心を通わせることが出来て。



不穏な悲鳴をあげることは、もう…無いと思う。





「…お、そういや忘れんなよ?」

「何を?」

「何って…さっぽろグリエのステーキ二枚。ご褒美、ちゃんとよこせよ?すっとぼけて逃げるなよ?」

「あぁー。…わかったわかった」

「今の間は何?…私が言い出さなかったら忘れてただろ!…このっ伶士いぃぃっ!」

「………」



…もし、嘘でも忘れてたなんて言ったもんなら。

こいつ、不穏になるだろな。