俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


すると、魔獣の声が聞こえる。



【にんげん…ありがと…】



犬や猫のように、魔獣は田丸さんに顔を擦り寄せていた。



【たすけてくれて…いきてくれて、ありがとう…】



『…ありがとう!僕も…ありがとう!』




魔獣と人間が歩み寄り、心を通わせる。

手を取り合うように。

今までにないケースに、弓削先生は最高潮に興奮し、綾小路室長に『うるさいですよ』と怒られたらしい。



そして、その直後に魔獣は魔界へと帰還することになる。

田丸さんや凌憲、術者の皆さんに見送られて。

魔界へと、帰っていった…。







「へぇ…?」

「いひひひひ」

「良い話じゃねえか」

「いひひひひひ」



この話の途中から、なずなのニヤニヤが止まらない。

悪巧みのニヤニヤというよりは…喜び、幸せのニヤニヤだ。



「…魔獣も少しは報われたかな、と思って。人間界での思い出が、可哀想なモノばかりってのも」

「…そうだな」

「こういうことあると、何か幸せ。この仕事も捨てたもんじゃないって思うよ」

そう言って、またなずなはえへへと笑う。

その幸せ満喫の笑顔に、俺は反応せざるを得ない。



ちくしょう。かわいいな。