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黒い翼の彼も撤収すると、俺達を困らせていた大きなコウモリの集団も共に姿を消した。

一悶着終えた現場は、再び動き出す。

VIPとレディクラの面々はすでに警察関係者の車に乗せられ、すでに学園を後にしていた。

凌憲たちもその後を追うように出ていく。



そして、今ちょうど。

魔獣の入った檻が、トラックに積み込まれる。

それをじっと見守っていた。



…白目で眠る、なずなの頭を膝に乗せながら。



(………)



白目…。

…なんて顔だ。



あまりにもおぞましくて、さっき手で瞼を撫でて閉じてやったんだけど。

時間が経つと、また開いた。

ああぁぁ…何でまたオープンするんだ、その瞼。



…いや。いやいや。

ため息が深く出そうなくらい、おぞましい顔だけど。

こんなことで、俺は冷めないぞ。

むしろ、写真に収めて弱味を握りたいと思ってる(…)。

いや、収めた。

さっき、空気も読まず、こっそり写真撮った。撮ったどー。みたいな。

ひとつずつ、弱味を握っていく…。