「…昨日の朝、中央区の山林で、雪山の上に制服姿の男子高生が倒れているのを、そこの管理業者のおじさんが発見した」
は…。
「中央区?!」
「うん。円山の峠の近く」
「え…!」
妖怪じゃない…事件?!
思わぬ展開の話に思わず、俺も辺りをキョロキョロ見回してしまう。
そして、俺も声が小さくなった。
「そ、それって…」
「発見されたのは、北桜学園高等部の二年生。意識不明の重体で、速攻救急に運ばれた」
「い、意識不明…!」
高等部二年?
俺のひとつ上の学年?!
それなら、知り合いかも…と、ドキドキし始めてしまう。
「そ、それで…」
「…けど、おかしい点がひとつ。…大量の血液が体内から消えているんだ」
「血液?…消えた?…刺されて大量出血したとかじゃ?」
なずなは、首を振る。
「被害者の体には、切創の類い…刃物で刺された跡は見られない。倒れていた現場も、血痕のひとつもなかった」
「血痕が…ない?」



