俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


慌てて立ち去ろうと、飛び出すなずなを後ろから腕を掴んで捕まえる。

飛び出しに勢いがあったのか、なずなの体がガクンと揺れる。



「な、ななな!」

「陰陽師の依頼か?何で北桜学園に?妖怪でも出たか?なぁ?」

「あ、あんた!何でそんなにグイグイくるの!ねえ!」

「気になるもんは気になるんだから仕方ないだろ」

「ち、ちょっ、離せっつーの!」



そう言いながら、掴まれた腕をブンブンと振り払われそうになる。

しかし、そこは決して離さない。

離したら速攻で逃げるぞ?この生き物は!

質問に答えるまで離すか!



「離せ!…離せ!この痴漢!痴漢ですよ!皆さん!きゃー!助けてー!」

「………」



何を騒いでるんだ。

今さらか弱いフリしてもダメだぞ!

その証拠なのか、通りすがる生徒はチラ見してスルーしていくだけ。

…ほら、日頃の行いが出たぞ!



「………」

「うっ…」



腕は離さないまま、ヤツをじっと見続ける。

すると、観念したのか、ヤツは大きくため息をついていた。