「…でも、警察に行く前に、伊藤さんが陰陽師さんに助けてもらった御礼を一言言いたいって」



その伊藤さんは、早速なずなに「ありがとうございます!」と、ペコペコと頭を下げている。

なずなは「ケガないか?大丈夫か?」と、いつもの調子に戻っていた。



「…綾小路さんから話は聞いたよ。まさか、VIPらがラウンジでバケモノ飼っていたなんて…田丸さんもそれで」



そう言いながら、凌憲は少し離れたところにいるVIPたちの集団を見る。

神妙な面持ちで、彼らを見つめていた。



凌憲も、どう思っているか…。



「…ん?あれ?」



しかし、凌憲は顔をしかめる。

気持ち驚いているような。




…実は、この事件。

まだ、解決、終わりではない。





「…どうした?」



気になって、凌憲に伺う。

凌憲の目は、そこから離れず。



「…何で、南平がいるんだ…?」