この警察のお手入れという、度重なる出来事がショックだったのか。
顔付きだって心ここにあらずで。
平静でないことは、確かだ。
「伶士…」
体をビクッと震わせてしまった。
そのすがるような目付きと、不安定な声に。
「…あの時は、私がどうかしてた…ごめんなさい… あれだけ愛してくれた伶士を裏切るようなことして…」
そう言って、薫はフフッと笑う。
昔は笑いかけてくれると嬉しかったのに…今となっては、平常心を失いかけたその笑みは恐怖すら感じる。
なぜ?今そんな話を…?
「薫…」
「ねえ、伶士…私達、やり直そう?…」
「…え?」
そして、薫は俺の方へと一歩近付いてきた。
俺の目をじっと見たまま逸らさず。
やはり、様子がいつもと違う。
いつもの凜とした表情は、歪んで崩れて。
もう、哀れだ。
「か、薫、落ち着いて…」
「ね?…そして、前のように私を愛して?いっぱい…あの時のように…ね?伶士?」
「ま、待って」
「私、あの時何であんなことしたのか凄く後悔してる…自分でもバカなことしたと思ってるよ…?」
「薫」



