「魔獣…これからどうなんの」
「取り敢えず本部の地下で取り調べ。拓狼さんが魔力照合したり、鑑識でもいろいろ調べる」
「そうか…」
ラウンジを出て地上に上がると、すでに日も暮れて辺りは暗かった。
正面玄関口を出ると、春には程遠い冷たい風が吹き付けていて、体は震える。
そんな中でも、玄関前の広場は先ほど同様、物凄い人の数だった。
恐らくほとんどが警察の人間。
…さっき、ラウンジの前で皇先生と出くわした。
皇先生の隣には綾小路室長がいて、これからラウンジに入るものと思われる。
先生は俺に「お疲れ様、ありがとう」と笑顔で一言だけ告げて、中へ入っていった。
先生も、あの現場を見るのか。
ドラッグのことも…知ることになるのか。
胸が…痛い。
パトカーは一台もないが、横付けされている車の数が多い。
これ、たぶん警察関係者の車なんだろう。
向こうには、警官たちに連行されているVIPたちの姿が見えた。
警察に連れていかれるのか…。
そんなことをボーッと考えながら、また辺りを漠然と見回していると。
俺の姿を見て、その輪から外れてこっちに駆け寄ってくるのが、一人。
「…伶士!伶士っ!」
…薫だ。



