俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


体を包んでいたスライム状のモノは無くなっていて、台車の上にちょこんと座っている魔獣。

先ほどの狂暴さは消え失せ、きょとんとしている。

あの変な鳴き声も出さず、静かにキョロキョロしていた。



「こーれが、異世界のバケモノか…」



俺の隣には、いつの間にかあの暑苦しいデカチョーがいた。

ほぉーと感心しながら、魔獣を見上げている。

すると、目が合った。



「おう、モグラご苦労さん」



そう言って、俺の背中を叩く。



「は、はい…」

「今回は大手柄だ。出所掴めなかった若者向けの販売ルートの尻尾が掴めそうだ。よくやったな」

「はぁ…」



それだけを俺に告げて、デカチョー山さんは去って行った。



(よくやった…か)



誉められているのに。

単純に喜べないのは、何故だろう。



また俯いてしまった顔を上げることが出来なかった。



(………)



「…伶士、大丈夫か」



目の前には、なずながいる。

大丈夫って…。



「あ、うん…」

「魔獣が地上に運び出される。そろそろ行こう」



複雑な思いを抱えて、何となく前を見れないまま。

ただ、なずなの後を着いていった。