「…え、えぇっ?!」
「お、お父様が?!」
「まあ…どんな親御さんも、正論突き付けたらチョロいもんですよ?」
そう言って、フフフ…と含み笑いをする綾小路室長。
ちょっと、いろんな意味で恐い。
…しかし、そんな横で。
「………」
薫は、一人。
青ざめて、茫然としていた。
手が、小刻みに震えていて。
何も言葉を発せずに…。
「…ナメやがって…」
一年レディクラが喚き、薫が茫然自失となる中、ふつふつと静かに怒っているのは。
またしても、高橋だ。
その低くドスの効いた声に、誰もが振り返る。
綾小路室長は「おや?」と呟いた。
「ナメやがって…ナメやがってぇっ!」
「…ナメてはおりませんよ?高橋裕貴くん?…ナメてるのは、どっちですか?」
「あぁ?」
その時。
綾小路室長の表情が、一瞬だけ変わった。
「…人間一人の命がかかってるんだぞ!よくもガタガタ言ってられるな?!」
高橋に負けないぐらいのドスが効いた低い声が、物凄い音量で響いた。
その圧倒される勢いに、高橋たちはもちろん、俺も少しビビってしまう。
向こうでブツを押収している山さんたちも振り返ってしまうぐらいだ。



