「あらやだー!ワンちゃんたち乱入してきちゃったー!」
いやーん!と、驚いた素振りを見せる綾小路室長。
どこか、わざとらしい。
「…って、おまえが合図したから入ってったんだろうよ!綾小路!」
シェパードの後を追うように姿を見せたのは、あの暑苦しいおじさん…いや。
本部で顔を合わせた、生活安全課の刑事さん?!
「やっだー!山さん、フライングー!」
「いーや!何言ってんだこのロン毛男わ!おまえ、合図したろ!間違いなく合図したろが!」
ええ、俺もそう思います。
しかし、綾小路室長がしらばっくれているのは、なぜか。
俺達の前をも物凄い勢いで通り過ぎて行ったシェパード二匹。
部屋の隅でワンワンと叫びまくっていた。
とある箇所を一点集中して吠えている。
その時ーVIPの一人が「うわ…」と声を漏らした。
「…そこか!…そら行け!」
山さんの合図で、出入口に並んでいた大量のスーツ姿の大人や、警官が動き出す。
ワンちゃんの周りに集まる大人たち。
コソコソと会話を交わしたのち、床の一部となっていた床下を開ける。



