小さなハコの中の権力に、自分がやられるとわかっていながら抗えるような勇気を持つだなんて、そう簡単なことではない。
だけど…。
「…じゃあ、大人に相談出来る『勇気』を君には持って欲しかった」
「………」
「『罪』を認める勇気、あるんだから」
「…うっ」
その一言で、猪狩は泣き崩れている。
きっと猪狩も、この中でいろいろな思いを抱えて、苦しんでいたんだ。
「…さてさて。これからあなた方には簡単に、この室内のガサに立ち会ってもらいましょう?」
そう言いながら、躊躇するVIPレディクラたちを、魔獣にバキバキに破壊された檻の方へと、綾小路室長は誘う。
その時、不自然に手が上がった仕草を取った。
今、手…あげたよな?
すると、出入口の方からワンワンッ!と、野太い犬の鳴き声が聞こえた。
ヨーテリみたいな可愛い鳴き声じゃない。
かと思えば、シェパード二匹が物凄いスピードでダッシュして室内に入り込んでくる。
ドドド…!と、目標目掛けて猛ダッシュだ!
「はっ…?」
…え?え?何?
目標どこ!
警察のシェパード…って!



