しかし、一息つく間もなく。

今度は出入口の方が騒がしく、慌ただしくなっていることに気付く。


「…きゃっ!…何?何なんですかあなた方は!」

「誰?…誰だ!」



先ほど逃げたと思われるVIPやレディクラの面々の騒ぐ声だ。

戻ってきたのか?



…いや、戻ってきたのではなく。



「はい!はいはーい!…北桜学園のVIPレディクラの方々!…状況落ち着いたので、一旦お部屋にお戻りくださーい!」



そう声をあげながら、VIPレディクラたちを誘導し、この大部屋に入ってくるのは。

先ほどまで無線の向こうにいた、綾小路室長?!

こっちにやってきたのか!



そして、綾小路室長の後ろに続くように、スーツ姿のおじさんや男性…制服姿の警官まで!

列になって、数十人という…ビックリする人数でやってきた!

これは…!

…い、いや。



《準備整い次第、突入します》



突入してきたってワケ…!



薫や猪狩、高橋を含むVIPレディクラの面々がざわざわしながら集まっているその目の前に、一歩前に出て頭を下げるのは、綾小路室長だ。