俺のボディガードは陰陽師。~第三幕・不穏な悲鳴~


「…凶暴化した魔獣は、人間を襲う!ターゲットがたくさんいたら、術をかけようにも動きが定まらない!…だから、早くおまえら出ろ!」

「…えっ?!何?」

「きゃあっ!怖いっ!やだー!」



なるほど。

なずな、陰陽術の何かで魔獣を食い止めるつもりなのか。

だけど、狙うべき人間があちこちにいたら、魔獣も落ち着かずにあちこち暴れる羽目となる。



「…みんな!…早く部屋から出るんだ!魔獣に捕まる前に!」

「橘っ…!」

「ここはなずなに任せろ!」



あちこちに逃げ惑う奴らを誘導するつもりで、出入口を指差して呼び掛ける。

行き先を提示すると、どうすれば良いかわかったのか、全員一斉に出入口の扉の方へ向かっていく。

残っている者はいないか確認のため、辺りを見回していると。

遠くにいるなずなと目が合う。



「伶士…おまえも逃げろ!」

「え…」





その時、ドーン!と衝撃音が響き、壁からグラッと揺れる。

またしてもギャアァァァッ!と魔獣の叫び声が響いた。

魔獣は見境なく突進したのか、壁に正面衝突したようだ。



【にんげ…ん…にげて…】