「あと、このバケモノで生徒や先生をイジメるのはやめろだとか、ずっと頭を下げていたらしい?」
「それで…」
「はっ。こんな面白いモン手放すワケねえだろ。みんなで笑い飛ばしてたら、一緒にいた星天のヤツが『もういい。バカは勝手に死ねよ。許されないわ!』って捨て台詞吐いて泣く泣く帰った、ってワケ」
「………」
兄貴が…?
「…だなんて、昔話はここまでだ」
そして、高橋は。
なぜか、傍にある檻に手を入れていた。
魔獣というバケモノがいる檻の中へ、躊躇なく手を入れる。
「…やめろ!何をしている!」
「へっ。こうすれば…」
高橋の手は、魔獣の方へ伸びていて。
それに気付いたなずなは、真っ先に声をあげる。
「…それに触るな!」
制止されたにも関わらず、高橋の手が触れたモノは。
魔獣の体に貼ってある、霊符。御札だった。
それを、指で詰まんで躊躇なくベリッと剥がす。
《…ギャアァァァーッ!!》
突然、魔獣の口から断末魔のような悲鳴があがる。
先程のような耳障りな金属音ではない。
本当に、恐竜のような悲鳴だ。
そして、苦しんでいるかのように、魔獣は体を震わせてその狭い檻の中をのたうち回り始めた。
…何だ?!何が起きた!



