そんなところは、尊敬してたのに…兄貴。
何で…。
そんなことが頭をぐるぐると回って。
脳内の時間が、止まってしまっていた。
…だが、現実の時間は止まらない。
「…橘?顔色悪そうだな?あぁ?」
我に返ってふと顔を上げると、俺を面白げに見ていたのは。
また、高橋だ。
ニヤニヤと不気味な笑いを俺に向けている。
本当に、さっきから不気味に笑うな?
本当に、なずなの言うとおり、笑いの毒キノコ食べたんじゃないだろうか。
顔色が悪い?…放っておいてくれ。
こっちは、ショックのあまり放心してんだよ。
だが、俺の事情など、高橋は構っちゃいない。
何かを言いたそうにしてると思ったら、すぐに口にしていた。
「おまえさぁ?ひょっとして…ここに来たのは、芦屋に頼まれたのは口実でよぉ?…本当は、薫の様子見に来たんじゃねえの?」
「は…」
「頼智さんに寝とられて、フラれてズタズタになって学園辞めてったんだもんなぁ?…でも、実は未練たっぷりなんじゃねえ?」
「…ち、ちょっと、裕貴さん!」



